
株式会社双葉通信社(以下双葉通信社/ 本社:東京都中央区、代表取締役:小西聡)は、産学連携による人材育成およびファッション業界理解促進の取り組みの一環として、 6月11日(木)に文化服装学院ファッション流通科2年ファッションプロモーションコースにて特別講義を実施しました。
本講義では、市場分析・消費者分析・リサーチを数多く手掛けてきた双葉通信社の谷佳詩子が講師を務め、近年のファッション業界を取り巻く環境変化を踏まえ、企業が直面する課題およびマーケティングの進化について解説しました。少子高齢化や人口減少、物価上昇による消費意識の変化、さらに気候変動などを背景に、ファッション市場は大きな転換期を迎えています。顧客との関係性を強化し、長期的な価値を高めることが、企業には求められている点について説明しました。
ファッション業界の変化と企業の取り組み
ファッション業界では従来の四季に基づく商品展開から、業界の最重要課題とも言える気候変動に対応した商品開発への移行や、シーズンレス商品の増加、機能性素材の活用など、消費者ニーズに応じた取り組みが進んでいます。また、雑貨や化粧品といった非アパレル分野の強化や、海外市場への展開など、事業領域の拡張についても紹介しました。
AIの進展とマーケティングの高度化
さらに、生成AIの普及が業界に与える影響についても言及しました。デザインや広告制作などにおけるAI活用が進む一方で、最終的な判断やブランド価値の担保には人の役割が重要である点を強調しました。また、消費者行動は従来の検索中心からAIを活用した意思決定へと変化しており、企業にはAIに選ばれるための情報設計が求められていることを説明しました。マーケティング施策においては、体験型イベント、インフルエンサー活用、UGC(口コミ)の創出などを組み合わせた統合的なコミュニケーションが重要であると説明しました。
広告会社の役割と人材育成
広告会社の役割が従来の広告枠販売中心のビジネスから、戦略設計やデータ分析を含む総合的なマーケティング支援へと変化している現状を伝えました。そして、クライアントの潜在的な課題を発見し、複数の施策を統合して提案することの重要性にも触れました。それを踏まえ、今後求められる人材は、SNS運用や動画制作、生成AIを活用できるデジタルスキルに加え、分析力や発信力、自らの視点を持つことが重要であることを伝えました。
受講した学生の皆さんの声※講義感想文より抜粋
・生成AIの普及によって作り方や売り方も変化し、これからは人に見つけてもらうだけでなく、AIに選ばれる工夫も必要になると知った。今後は変化を捉えながら、自分なりの視点や発信力を磨いていきたい。
・AIの発展によって情報収集や購買行動が変化する中でも、人が価値を感じる体験や共感は依然として重要であることが印象に残った。これからはSNS運用や動画制作などの発信力だけでなく、データを分析し課題を発見する力も求められると感じた。
・広告代理店は単に広告を作るだけでなく、企業と消費者をつなぐ重要な役割を担っていることを学んだ。市場調査や企画立案、広告の制作・運用まで幅広い業務に関わっていることが印象的だった。
・これからのファッション企業に求められるのは「商品を売る力」ではなく、「顧客との関係を継続させる力」ではないかと感じた。AIの発展によって情報や商品は簡単に手に入るようになった一方で、人が本当に価値を感じるのは偶然の出会いや体験、人とのつながりである。特にセレンディピティという考え方は、SNS時代だからこそ重要になると考えた。
・消費者とのコミュニケーションにおいて「接点を増やすこと」と「接点の質を高めること」の両方が重要であると学んだ。特に、近年は「ひと」を軸にした関係強化が進んでおり、アンバサダーやインフルエンサーを活用したマーケティングが注目されていることが印象に残った。
・今回の特別講義を通して、ファッション業界は単に服を作って売るだけではなく、気候変動や生成AIの発展、消費者との関係性の変化など、さまざまな社会の変化に対応しながら進化していることを学んだ。特に、気候変動によって「今使えるものを今買う」というオンタイム購買が重視され、シーズンレス商品や雑貨・化粧品などの非アパレル分野の強化が進んでいる点が印象に残った。
講義を終えて
本講義では、“変わらなければならない”ファッション業界のマーケティング動向と、同じく変革期にある広告会社の役割を中心にお話ししました。企業事例では「なぜ・何を目的にそうしたのか」を紐解いています。ファッションプロモーションコースはマーケティング全般へと学びの領域を広げており、講義のテーマである「生活者との関係づくり」には学生の強い関心が窺えました。特に「AI」「気候変動」「LTV」というキーワードは、身近な課題として受け止められていたようです。AIが急速に浸透する中でも、何を目指し、どのような価値を実現するかを決めるのは人の役割です。そこで問われる「ディレクション力」の重要性を意識してもらえたなら幸いです。
株式会社双葉通信社
営業推進本部デジタルマーケティング部デジタルマーケティングチーム
谷佳詩子
講師プロフィール:
ファッション・コスメ領域を中心に、市場分析・消費者分析・リサーチ業務を担当。“ブランドの課題発見”や“生活者を深く知る”ことを目的とした各種調査を手がけており、双葉通信社オリジナルのファッション購買行動・メディア接触調査「FABCO」(全国の男女10,000名対象)をはじめ、ブランドコンディション調査、広告効果測定調査など、幅広いリサーチに携わる。また、トレンド感度の高い若者層を対象にしたインタビュー調査や、文化服装学院との共同調査(WEBアンケート・グループインタビュー)も継続的に実施。長年マーケティング領域に携わってきた知見を生かし、2021年より毎年、文化服装学院でマーケティングの特別講義を担当している。

株式会社双葉通信社について
https://www.futaba-ad.co.jp/948年創業の広告会社。特にファッション、ラグジュアリー等の広告マーケティングに深い知見と経験を持つ。長年、雑誌広告に強みを持っているが、近年はデジタル施策も積極的に遂行。2016年よりLAUNCHMETRICSと日本国内における独占販売代理契約を締結しマーケティング・PR業務を包括的に支援する「ブランドパフォーマンスクラウド」を販売・サポート。
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